さりげなくアロマティーク

ソムリエでアロマブレンドデザイナーの黒猫ばろきちの母が「香り」にまつわる話などをしていきたいと思います。

日本の香り文化のはじまり

ばろきちです。

 

アロマテラピーというと、西洋のもののように思われがちですが、日本人もまた、古代・中世より香りのもたらす作用をよく知っていました。

 

日本における「香り」についての記述で最も古い文献は「日本書紀」に収められたものですにゃ。
推古天皇3年(595年)に、淡路島に漂着した香木(沈香)が聖徳太子に献上されたと伝えられています。
 

天下の名香 蘭奢待

仏教伝来とともに、多数の香木が渡来し、もっとも有名なものが、奈良の東大寺正倉院に所蔵されている国宝「蘭奢待(らんしゃたい)」という香木ですにゃ。

 

正倉院に収められた経緯や名前の由来などは、未だ謎に包まれているそう。
香道で61種ある名香の筆頭とされ、天下の名香と言われます。

 

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海を泳いでいる夢を見てますにゃ。。(z.z)

 

754年には鑑真和上が32種類の香りの材料を日本に伝え、数種類の香木を練り合わせて焚く「薫物(たまもの)」の調合法を日本にもたらしたと言われています。

平安時代 香りを楽しむ貴族

平安時代になると、香りを楽しむ「お香」は貴族の嗜みになりました。
『源氏物語』の光源氏も
着物の袖から香しい香りを漂わせていたことでしょう。

また貴族の間では、独自の薫物をつくって香りの優劣を競う「薫物合わせ」という遊びがありました。

室町時代 香道のはじまり 

香りを鑑賞する「香道」は室町時代に始まりました。
東山文化の8代将軍足利義政が芸道としての体系作りの祖となり、
公家の三条西実隆を祖とする「御家流(おいえりゅう)」
武家の志野宗信を祖とする「志野流(しのりゅう)」の二大流派が誕生しました。

前者の御家流は公家や貴族の優雅な遊び、後者の志野流は武家修練という異なるルーツを持ちます。
そしてこの二つの流派が、香道文化を継承発展させてきたのです。

 

高い精神性と繊細な感性を持つ日本人ならではの文化ですね。
平安貴族たちの雅な世界にタイムスリップしてみたいものです。

 

明治時代 香料産業のはじまり

明治以降になると、日本でも精油を得る目的でハッカやラベンダーが栽培されるようになりました。 

ハッカ(薄荷)は北海道の北見市で昭和45年頃まで栽培されていました。

ラベンダーの栽培は、昭和12年に香料会社がフランスから種子を入手したことから始まりました。

日本各地で栽培を試み、適地を探したた結果、北海道の富良野にたどり着いたのです。

 

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さて、お盆休みも後半となりましたが

今週はお墓参りに行かれた方も多かったことでしょう。

 

お線香の香りに心が休まるのも

やはりリラクゼーション効果があるのですね。

サンダルウッド

サンダルウッドは、古くから宗教と深い結びつきがあり、

お香として瞑想や宗教儀式に使われてきました。

 

お寺に行くと漂ってくる白檀の香りには

馴染みがある方も多いことかと思います。

心を静め、魂を浄化させてくれるような、

ウッディーでややスパイシーな深みのある香りですね。

 

あたたかく奥深い神聖な香りが、不安やストレスを和らげてくれます。

心の奥深くへ働きかけ、自分の本質への気づきをもたらしてくれます。

ココロと身体、スピリットを芯からリラックスさせる作用があります。

 

瞑想やヨガによく使われる香りですね。

自分と静かに向き合いたいときにおススメです。

「今ここ」に意識を向けさせてくれます。

 

また、サンダルウッドは「涼を呼ぶ木」と言われるほど熱を冷ます力があるため、

サンダルウッドから作られた扇子の香りで涼を感じるのは、とても理にかなった使い方なのですね。

冷やす作用を持つので、日焼けした肌のケアにも良いですよ。

神経系を落ち着かせる作用もあるので、

イライラや焦燥感、緊張性の不眠や頭痛などにも効果が期待できますよ。

 

ただし、抑うつ状態のような時は、さらに気分が落ち込んでしまう場合もあるので気をつけてください。

 

ばろきち親子は今日も元気です。

ではまたにゃ。