さりげなくアロマティーク

ソムリエでアロマブレンドデザイナーの黒猫ばろきちの母が「香り」にまつわる話などをしていきたいと思います。

香りがもたらす脳への刺激は認知症にも効果的

ばろきちです。

 

ヒトの多くは、50代になると年齢とともに嗅覚も衰え始めるそうにゃ。

それでも、視覚や聴覚などと比べると加齢の影響は少ないらしい。

それはどうやら、においを感受する嗅神経細胞には再生能力があり、

老化しても機能の低下が緩やかだからということにゃんだそう。

 

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ジジイですが、にゃにか???

ゴマシオ具合がカッコイイだろう? ( ̄∀ ̄*)

 

厚生労働省の推計によると、2025年には認知症の罹患者数が700万人を超えるとか。

なんと65歳以上の高齢者の5人に1人という数字です。

もはや他人ごとではありません。

 

認知症を疑うきっかけの一つに「物忘れ」がありますが、年相応の単なる物忘れなのかは、忘れたことがわかっているかどうかが問題なようですね。

人の名前がなかなか出てこないなんてよくありますよね。

でも、とっさに思い出せないとしても忘れたことがわかっている場合は大丈夫。

アルツハイマー病では、事実そのもを忘れてしまうのです。

たとえば財布を忘れたという経験自体を忘れてしまうのだそう。

 

近年、嗅覚は高齢者に多い疾患の早期発見につながると注目されています。

中でもアルツハイマー病の初期症状に嗅覚障害がみられることがわかってきたのです。

嗅覚低下はMCI(軽度認知障害)の段階からみられ、MCIで嗅覚低下がある場合、将来認知症に進んでいく確率が高くなります。

 

認知症予防・早期発見のカギは嗅覚

認知症の症状である記憶障害は記憶を司る海馬が委縮することでおこりますが、アルツハイマー型認知症では、海馬よりも脳の外側にあり、嗅覚に大きく関わる嗅内皮質が最も早期に冒されることが解明されています。

そのため記憶障害よりも嗅覚の低下があらわれてくるのだそう。

 

風邪や鼻の病気でもないのに、食べ物のにおいがよくわからなくなったなど、嗅覚の異常を感じた時は、まずは耳鼻咽喉科を受診することをおすすめします。

  

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メディカルアロマセラピー

海馬は直近から過去2年ぐらいまでの近い過去の記憶(短期記憶)を蓄積する器官です。また海馬を通じて、においの情報は大脳皮質に伝わり格納されます。つまり、においの情報(記憶)は脳のあちこちに格納されており、におい刺激によって、過去にあった「においと結びついた出来事」を即時に引き出す作用があると考えられるのです。

NHK出版新書 塩田清二 著
<香り>はなぜ脳に効くのか アロマセラピーと先端医療 P.43より

 

鳥取大学の浦上克哉教授らによって、アルツハイマー病を含む認知症の高齢者 を対象に、朝はローズマリーカンファーとレモンの精油を、夜は真性ラベンダーとスイートオレンジの精油の芳香浴を、それぞれ2時間ずつ行うというアロマテラピーの効果を調べる実験をしたところ、患者の思考力が明らかに改善されたと報告されています。

 

アロマセラピーという言葉は、近頃ではよく耳にするようになりましたね。
そもそもアロマとは、ギリシア語で香りや香辛料を意味し、セラピーとは治療のことを言います。


フランスの化学者ルネ・モーリス・ガットフォセが、実験中の事故でやけどを負い、その治療にラベンダー精油を使用して効果があったことから、植物から得た精油による治療法を研究し、1937年に「アロマセラピー」を発表しました。
アロマセラピーという言葉は、ガットフォセが造語したものです。

 

現在では、精油を用いたメディカルアロマセラピーが、代替補完医療として積極的に取り入れられてきています。

 

嗅覚を鍛える 

日常生活の中で、意識的に「におい」を嗅ぐことで嗅覚を鍛えることができます。

食事の時、散歩する時、身の回りの物を何のにおいか意識して嗅いでみましょう!

たとえテレビやスマホを見ながらでもいいから、

今わたしはオレンジを食べている、などと意識して嗅いでみましょう。

特に柑橘系の香りは積極的に取り入れると効果的だそう。

 

香りを感じとることを習慣づけることで嗅覚低下の予防に、

つまりはある意味アンチエイジングにもなるっていうことですね。

嗅覚を鍛えることで脳が若返るなら、やらない手はないですにゃ!!

 

ばろきち親子は今日も元気です。

ではまたにゃ。